強い風雨を伴い関東を直撃した台風9号、どこでどのように凌いだのか、雨が収まり雲の薄くなった途端に鳴き出したセミ、過ぎ行く夏を惜しむかのように生命を謳歌しています。
私が少年の頃、セミはなかなか捕まえることの出来ない昆虫でした。特に羽の透き通ったミンミンゼミは憧れの的、鳥もちを付けた竿やら手作りの捕虫網で追い回したものです。
近年、我が家のベランダでもセミを見かけることが多くなりました。網戸やら洗濯物に停まり五月蝿く鳴くセミ、簡単に捕まえることが出来ます。アブラゼミ・ミンミンゼミ、年々北進を続け、関東の海岸沿いにまで生存圏を広げたといわれるクマゼミの声も、ここ高幡不動で2度ほど聞いたように思います。
何故セミは増えたのでしょうか、蝉時雨の下、高幡不動尊境内を歩きながら考えました。モグラや鳥など野生の天敵が比較的少ない人里近くでは、セミにとって人間の子供が最大の天敵となります。しかし少子化に輪をかけセミに興味を示す子供も減っている現在、当然捕まるセミの数も減ることになります。捕まる数が減れば繁殖のチャンスが増えると共に、警戒心が薄くあまり人を恐れぬセミのDNAも子孫に伝わることとなり、その結果としてセミはその数を増やし、ベランダで平然と鳴くものさえ現れるのではないかと。
セミに反してトンボの数は年々減っているように思います。今年高幡不動近辺では、潤徳小学校裏にあるトンボ池でオハグロトンボを見かけただけ、昔よく目にしたギンヤンマやオニヤンマは勿論、シオカラトンボの姿さえなかなか見ることが出来ません。これは用水池など繁殖に適した環境の激減によるものでしょう。
余談ですが、8月末にオートバイにテントを積み旅立った私は、新潟県下越阿賀野川沿いのキャンプ地で、シオカラトンボ・ギンヤンマ・アカトンボを何度か目にしてホッとしました。セミもトンボも強かに生きているのですね、人類ほどにではないのでしょうが・・・。
掲載日付:2007/09/08